2006年3月、不動産投資のポータルサイト「楽待(らくまち)」をリリースする。国内最大の不動産投資サイト「楽待」の原型となるもので、坂口が知人と共に作り上げた。開発には1500万円の費用がかかったが、坂口がWEB制作などさまざまな仕事の依頼を受け、なんとか開発費用をかき集めた。
当時の事業コンセプトは「投資用不動産の公正な市場を世に提供する」。顧客ターゲットは「投資用不動産を購入したいが、なかなか自分では動けない不動産投資家」と「エンドユーザーをなかなか見つけることができない不動産会社」と定めた。
当時、不動産のポータルサイトと言えば、アットホームやスーモなどのように、サイトに物件情報が掲載されていて、ユーザーが閲覧して気に入ったら問合せをする、というものがほとんどであった。しかしリリース当初、楽待には物件情報が一切掲載されていなかった。いわゆる「マッチングシステム」がメインのサイトだったのだ。
利用方法はこうだ。ユーザーはまず、楽待に自身の属性情報と希望物件の条件などを入力する。
入力された情報は、個人名や電話番号などが伏せられた状態で楽待のデータベースに登録される。それを不動産会社は閲覧し、会員の条件に合った収益物件を提案する。
会員は提案された物件に対し、興味があれば「お問い合わせ」、興味がなければ「お断り」の回答をする。「お問い合わせ」をするとマッチング成立となり、不動産会社側には会員の連絡先などが表示されるようになる。「お断り」の場合は、会員の連絡先は表示されない。
会員である不動産投資家にとっては「楽」に「待」っているだけで、いい物件の情報が得られるというところから「楽待(らくまち)」と名付けた。当時このシステムは業界内で画期的であり、「不動産の逆オークションサービス」としてさまざまなメディアに取り上げられることになった。