≪本リリースのポイント≫
・隣地から敷地内に枝が伸びてきても、改正前の民法では勝手に切ることはできなかった
・2023年4月以降、隣地から伸びてくる枝を条件次第で切除することが可能に
・「楽待新聞」ではその条件や切除費用に関する疑問を弁護士に聞いた記事を公開
株式会社ファーストロジック(本社:東京都中央区、東証スタンダード、証券コード:6037)では、不動産投資に特化したウェブメディア「楽待新聞」(https://www.rakumachi.jp/news/)を運営しており、最新のニュースやトレンドを分かりやすく解説しています。来月から改正民法が施行されるのを前に、「楽待新聞」では改正後に何が変わるかをまとめ、隣人トラブルを防ぐための具体的な対応策などを弁護士に聞いた記事を本日公開しました。
・該当記事:「4月からルール変更、隣地から伸びた枝は『自分で切って』OKに?」
https://www.rakumachi.jp/news/column/307360
・関連記事:「お隣から伸びてきた木の枝、民法改正で大家が自ら切れるようになる?」
https://www.rakumachi.jp/news/column/289342
■なぜ民法は改正されたのか?
来月施行される改正民法では、近年問題となっている「所有者不明土地」の解消に向けた法律の見直しが行われます。「所有者不明土地」とは、所有者に連絡がつかない、もしくは所有者が直ちに判明しない土地のことです。人口減少・少子高齢化が進む中、相続件数の増加や、相続に伴う土地の所有意識の希薄化により、近年増加しています。
これにより公共事業や災害復興の妨げになることや、害虫の発生や建物の崩落など周辺住民に危険が及ぶことが懸念されています。そういった問題を解決するため、今回の法改正では、土地・建物等の利用に関する民法の見直しが行われることになりました。
隣地から敷地内に侵入した木の枝や雑草があると、所有物件の景観が損なわれたり、日照が妨げられたりするといった問題が発生します。伸びた枝をめぐって、隣人トラブルも発生しがちです。しかし、これまでは隣地から敷地内に侵入してきた木の枝が自身の所有物件に伸びていたとしても、勝手に切ることは民法で認められていませんでした。勝手に枝を切ると、隣地所有者から損害賠償請求を受ける可能性や、刑法の器物損壊罪に問われてしまう可能性がありました。また枝の切除請求に応じてもらえない場合は、隣地所有者を被告として訴訟を提起し、強制執行を行う必要がありました。
それが、今回の民法改正により、土地所有者自身による枝の切除が一定の要件を満たした場合に認められるようになりました。
■新設された民法233条3項とは?
この規定により、隣地が所有者不明の土地であっても適切に対処をすることが可能になります。
「…次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。」
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
そのほか、記事では「枝ではなく落ち葉や根が越境してきた場合にはどう対応するべきか」「実際にどうやって請求をすれば良いか」などの気になる疑問点を弁護士が分かりやすく解説しています。